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【書評】本当の温泉を知りたければ温泉のバイブル書物を読むといい

こんにちは(^^)ブランチです

 

久しぶりに書評を書いてみたいと思います。

 

1年ほど前に学校の生協の書籍コーナーで買った本なんですけど

この本との出会いには本当に感謝しています。

 

その本とは本物()(`)名湯ベスト100』です。

 

本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)

本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)

 

 

 

著書は石川理夫さんです。彼は温泉評論家として温泉評論・執筆・メディア出演の傍らで、温泉の研究をしています。

他著書に『温泉法則』、『温泉巡礼』、『なぜ温泉で、人は気持ちよくなるのか』、『温泉の平和と戦争』などがあります。

 

 

本の内容、構成

本の構成は大まかに分けて3つあります。

 

 

    これまでの名湯本との違い

本の冒頭から石川節がさく裂しました。

本の序盤で、これまでの名湯本を思い切ってぶった切ってます。

筆者曰くこれまでの名湯本には3つの問題点があると指摘しています。

 

 

(1)    温泉地選びというより、温泉宿選びに偏っている。

本書では

最近では「温泉地で選ぶ時代は終わった。これからは旅館で選ぶ時代だ」などと本末転倒はなはだしいキャッチコピーを付けたものさえもある。

(中略)

宿選びに終始する風潮をこれ以上蔓延させては、温泉地というもののトータルで奥深い魅力や、歴史を重ねて培われた存在意義、ましてや<名湯>を理解するのには決して至らない(P45

 

 

 つまり筆者はこれまでの名湯本では温泉の本質が分からないということを言いたいのだと思いました。

 

これは温泉に限らず観光とかでもいえるのではないかと思います。

 

 

観光地の情報サイトを見ても、誰もが行くような有名スポットばかりが載っていて、他にも魅力的な観光地があるのに、、、、、、。ってことがあってもったいなと感じました。

 

また温泉の本質を知るには、実際に自分で現地に行ったり、紙ベースなどのようにアナログの情報を知ることが大切なのではと思いました。

 

 

(2)これまでの温泉本が、どのような客観基準・根拠で温泉を選んだのか分からない

筆者曰く

これまでの温泉本の温泉選出

主観的である。投票で選んでいる。温泉の提供状況があいまいで分からない。

 

筆者の本

『ほんものの温泉』、『いい温泉』をコンセプトに選出

 

(3)名湯にもかかわらず、温泉そのものに関する基本データすら載っていない

筆者は多くの温泉の宣伝は歴史的な伝承に頼りすぎている。

 

だから名湯に必要な泉質、泉温、phの基本データに加えて、名湯を裏付ける源泉の数、湧出量、湧出状況に基づく温泉の提供状況を根拠として示すべきと述べていました。

 

確かに泉質とか数字のデータがあったほうが安心できますよね。

例えば温泉の指標の一つであるphで考えます。

 

phは液体の性質を知るのに必要な単位です。

 

 

phの値が分かればこの液体は酸性・アルカリ性・中性なのかがわかります。

Phの値・・・014

大まかな基準としては

   酸性 07未満

   中性 7ph

   アルカリ性 7より大きい

といったかんじです。

 

 

温泉だと酸性はお肌をつるつるに、アルカリ性だと石鹸同様の効果でお肌の皮脂分を落とします。中性だとお肌にやさしい。

 

 

酸性の温泉で有名なのが玉川温泉です。入ると肌がピリッとするとか

このようにphなどの基準があると温泉をより楽しめると筆者からのメッセージだと思いました。

 

本書の名湯ランキング指標

筆者は温泉をランキングするときに5つの指標で選んでいました。

    源泉そのものを評価する指標

最近は、温泉開発の際にボーリングと手法による大深度掘削泉が多くなったからこそ、自然にできた自然湧出泉間欠泉は珍しくなりました。

 

本書で筆者は自然にできた温泉を高く評価しています。

 

    源泉の提供・利用状況を評価する指標

入浴だけでなく、飲泉場、砂湯、蒸し風呂などを体験できる温泉地ほど評価が高い

 

 

    温泉地の街並み景観・情緒を評価する指標

今では建築が大変な和風旅館街や石畳街の評価が高い

 

 

    温泉地の自然環境と周辺の観光・滞在ソフトを評価する指標

国立公園・国定公園であるか

環境省が指定する国民保養温泉地であるか

 

    温泉地の歴史・文化・もてなしを評価する指標

訪れる人を感動させる温泉信仰

食文化・湯治文化

地産地消の努力

 

最後の地産地消と温泉といった視点は面白いなと思いました。

 

 

 

 

    名湯ベスト100ランキング&温泉コラム

名湯ベスト100の温泉の基本的な情報が載っていました。

どういった基準で名湯なのか、温泉の源泉の情報、歴史文化、交通手段など詳しく書かれていました。温泉コラムは温泉について知りたい人には面白い読み物だと思います。

 

 

    おまけ 付録

筆者の温泉の指標別ランキングや、全国名湯マップが載っていました。

 

個人的には全国名湯マップは旅行先を決めるのにかなり重宝しました。

 

 

このマップがきっかけで訪れた温泉もありました。

それは温泉津温泉武雄温泉です。

どのあたりに名湯があるのか一目瞭然でわかるのは本当に便利です。

 

 

最後に

この本から筆者の温泉に対する情熱がものすごく伝わってきました。

絶対100名湯制覇してやると決めました!!!!

温泉好きな人や旅行の行き先が決まっていない人にはお勧めの本かなと思います。

僕はこの本は温泉のバイブルだと思います。

 

 

 

本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)

本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)